Ryan

乱のRyanのレビュー・感想・評価

(1985年製作の映画)
4.0
この世とあの世の狭間を描いた映画


ストーリー
シェイクスピアの『リア王』を毛利3兄弟の物語に大胆に翻案して描いた絢爛豪華な戦国絵巻。過酷な戦国時代を生き抜いてきた猛将、一文字秀虎。70歳を迎え、家督を3人の息子に譲る決心をする。


主演 仲代達矢
監督 黒澤明


すげぇビビった。
今では考えられないくらいの撮影規模と大胆な演出方法。
信じられないくらい重圧で濃厚な脚本、これが黒澤明であり彼を超える日本の映画監督は現れないだろう。
映画ではなく戦国時代の不思議な境界を見ている気分。
黒澤明曰く、今作は天からの視点というのともあり登場キャラが考え、のたうちまわり天に叫ぶ。あー、これがセカイのクロサワの"人間なのか"と思わず身震いする。

主演の仲代達矢は49歳で70歳の役を演じるため毎日4時間かけてメイクをしていたという。劇中で70歳にしてはえらく走り回るし戦国時代に70歳とは長寿だな、何かあるなと思ったらやはりその通り期待を裏切らない。狂阿弥は研ナオコか寺尾聡かと思ったらまさかのピーター。すげぇいい演技してた。

脳裏を離れないほど強烈なシーンが多々あり、これが黒澤明のリア王なのかと恐怖すら感じた。
間違いなく名作。
Ryan

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