片腕マシンボーイ

乱の片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

(1985年製作の映画)
3.6
GWってやっぱり掻き入れ時なのか?話題作がいろいろ公開されっけど、毎年マシンボーイは特撮モノくらいしか観たいの無いのよねぇ……なんて休みの日に仕方ないからリバイバル上映あさっていたんよ、そしたら、あ!ポレポレで「乱」やってる!マシンボーイってば三船敏郎か志村喬出ている以外の黒澤映画は後回しにしてしまう癖あるからば「乱」はまだ観てないんよねぇ!って喜び勇んで観てきたぞ!

おとうちゃんは引退します!つって長男に家督を譲った途端に息子達に邪険に扱われて四苦八苦すんぞ!って話

あまりコミカルさを感じさせないシリアス一辺倒な黒澤映画やが、どうしてなかなか面白かったぞぉ、マシンボーイ的に1番の興奮ポイントは仲代達也とピーターの衣装の素晴らしさかなぁ!ぺろぺろ、特にピーターの衣装は時代劇ながら現代劇にも通用するような可愛らしさで良かったよねぇ!トンボ柄のヤツ可愛かったなぁ、そうね三兄弟の三原色といい、非常に衣装へのこだわりが強い作品で凄い見どころなっていたと思うなぁ

そんな色とりどりの衣装を身に纏うキャラクターはと言うと…
うむ、大殿仲代達矢の気狂いっぷりはもちろん素晴らしかったんやが、マシンボーイ的にはピーター演じる小姓のヤンチャっぷりが可愛らしくて最高に好きやったよね、あと原田美枝子演じる息子の嫁さんの女狐っぷりも好き〜

内容に関しては「乱」っつ〜くらいやから戦の話なんやろなぁ……くらいに思っていたんやが、戦を意味する「乱」ではなくて、大名一家の絆がある策謀により乱れに乱れ、結果乱が起こる!っつ〜まぁ割と早い段階から乱れに乱れた、まさに「乱」でござったね
しかし、長男次男の情けないこと……たかが出世の為如きで家族の絆をあぁも軽んじるかね?
次男のアホっぷりをお稲荷さんの首を持って家臣が諫言するシーンとか凄い好きやったんやが、それに嫁の原田美枝子が激昂すんのとかも最高でね!とにかくず〜〜〜っと話の陰に原田美枝子なんが凄かったね!え?あの貫禄で当時25歳?まぢかぁ……

そしてなんと言ってもそのスケールよ!まぢ和製ギラーミンつっても良いくらいの破壊っぷり!
ギラーミン映画といえば(ジョン・ギラーミンの映画という意味ではなく、とにかく金をかけて破壊の限りを尽くす映画の意味、そんな言葉が本当にあるかは?)史上最高の赤字を出したっつ〜マシンボーイの大好きな映画「カットスロートアイランド」ではレニー・ハーリン監督は実際に中世の町や二隻の海賊船を作り爆破破壊した!っつ〜剛腕な逸話があるが、本作でも富士山の中腹に実物の城を建てあの攻城戦を撮ったらしく、燃えるわ壊すわ迫力がガチすぎるしやね!今なら全てCGなんやろがCGでこの迫力は無理よ、無理
騎馬戦のシーンとか……え?人が倒れたすぐ脇を馬が駆けているけど、まぢ怖すぎひん?どうやって撮ってんの?安全確保されてる?いうてアタフタしたよねぇ
ちなみに戦のシーンで1番活躍すんのメインキャラクターやなくて三男の家臣の名も知らん部将っつ〜んが最高やね!どうにかして敵を殲滅したい次男と、犠牲少なく時間稼ぎだけできれば勝ちな名もなき家臣じゃあ無策な次男に勝ち目無いってばよぉ!ぺろぺろ

あとはもうね、もっかい言うけどピーターよ!ピーター!そもそもピーターはテレビタレントっつ〜イメージで役者とは思っていなかったんやが(そもそも舞台役者か…)、本作観たらイメージ変わるね、息子の裏切りに気が狂った仲代達也の気迫の演技を前にマンツーマンで対峙するだけでも大したもんなのに、全然負けてないんよねぇ、自分でも何故?と思いながらも殿への忠義を忘れず尽くす小姓の生き様が素晴らしかったぞぉ!

うん、マシンボーイ的にはピーター視点のパターンと、原田美枝子視点のパターンでもこの映画観てみたかったなぁ、思ったよねぇ
あ……ラストの展開は、あ〜クレしんのヤツねぇ!なってしまったんは残念、逆やで!逆!クレしんのんが「乱」のヤツなんやでぇ!ぺろぺろ



あ!本作は殿様と家族の絆の崩壊を描いていたが、今朝の「王様戦隊キングオージャー」は王様達と家臣の絆に泣きどころ満載やったな!
なんでもひとりで背負いこむリタちゃまに勇気を出してもっふん(モルフォーニャ)が寄り添うシーンの尊さに思わず感涙…最高かよ!ふたりの絆は不動なり!ぺろぺろぺろぺろ