トムザイルft.白蛇神

乱のトムザイルft.白蛇神のレビュー・感想・評価

(1985年製作の映画)
4.5
10年ぶり二度目の鑑賞。初めて観た時はとにかく色彩豊かでダイナミックな長編武将映画という印象だったが、2周目でなんと金のかかった映画だろうと驚くなど。

シェークスピアの「リア王」をベースに日本映画に仕立てるセンスもブッ飛んでるし、骨組みから本格的に建てた三の丸城を豪快に燃やすシーンといい、圧倒的な物量投入による迫力満点の映像、そして美術が渾然一体となっていて素晴らしいの一言。

迫力ある三の丸落城で「あれ?もう終わりか?」と思わせてからの展開がまたいいんですよね。仲代達矢さんの演技がずば抜けてます。流石としか言いようがない。

楓役の原田美枝子さんの悪女っぷりもなかなかで、女まじしたたかでこえーな…と思わせるに十分な名演です。

一番のお気に入りは何といっても武満徹さんによる音楽ですかね。笛の調べやティンパニをフィーチャーした音響等々、サントラで聴くのもありだと思います。

というか、そもそも黒澤明、武満徹、仲代達矢で下手な映画にする方が難易度高いと思うんですよ。

私の好きな映画の一つ。じっくり観るに限りますねこれは。