ばんがど

乱のばんがどのレビュー・感想・評価

(1985年製作の映画)
4.0
凄い。強烈な映画。
因果応報。悪夢を観てからの全ての行動が悲劇へ繋がる。
ある意味、見事な伏線回収映画だがそこまで回収しなくていいよと思ってしまうほど全てが悪循環していく。
捨てきれないプライド。芽生えたプライド。覚醒する野心。吹き出る復讐心。
調和は一瞬で乱れ崩壊する。
本当に大切にしたかったモノまで含めて。
秀虎は黒澤監督本人がモデルらしい。確かに一文字の家紋も「明」から取ってるようにみえる。
自身の完璧主義が招いた孤立すら大作に仕立ててしまう。やはり天才だ。
これまでの作品ようなモブシーンの切り取りではなく、画を構築していくカットが際立ち、計算された配置と色合いはホントにすごい。綾部の大群の観せ方とか度肝を抜かれた。
これが邦画界最後の超大作となってしまってるのが情けない。
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