どなどーな

乱のどなどーなのレビュー・感想・評価

(1985年製作の映画)
5.0
立川シネマワンでの4K上映で鑑賞。

高校生の時に観て「何だこれは…とんでもないシロモノだ」って思って、そこから映画館に通うようになった私の生まれてから今まで観た中で1番大好きで大切な映画。
それが4Kだって聞いたら行かない訳がない。

世界の黒澤はまじで世界の黒澤してた。
少ないBGMは音楽よりも蝉の声や風の音が多く、それすらも無い無音ですら映画の世界を支えている。
ワダエミさんの衣装もカラフルだけど奇をてらったものではなく4Kいい仕事してるって感じ。
30年以上も前の作品だから古くさいトコもあるけど今の映画では観られない厚みを感じる。
武満さんの音楽もいい。映画ならではの重さとかかたさが来る。
そして何より自然で違和感のないストーリー展開とそれぞれの役柄が持つ背景のぶ厚さ。最近の映画に多い主人公補正も無くそれぞれの役柄の動きも「こー来たらまぁこー来るよね」って。
そして他の黒澤さん映画でも感じる女性の強さ。
女性が家の結び付きの為に使い捨てされてた時代なのに、だからこその強かさで生きているのがカッコいい。
最初観た時は隆大介さん目当てで他の兄弟嫌いだったけど今観ると隆大介さん勿論素敵だが何より兄達にも妻たちにもそれぞれ想いがあったんだなって。

つまりは
やはり黒澤さんは素晴らしい。そして映画は映画館で観るのが最高ってコト。