バナバナ

文学賞殺人事件 大いなる助走のバナバナのレビュー・感想・評価

3.0
筒井康隆原作の、文壇の内訳物の映画化。
佐藤浩市がお肌ピチピチで、むっちゃ若い。
【直本賞】の選考委員役の方たちは、皆、鬼籍に入っちゃってます。

主人公の市谷は地元の名士の次男坊で、親が役員をしている地元を支えている大企業にコネ入社している。
そこへ同人誌の原稿を落としたきれいな婦人と知り合い、その女性目当てで地元の同人誌の会に入る。
小説を書いたことのない市谷は、自分の勤めている大企業のスキャンダルをそのまま小説に書いたのだが、あれよあれよと言う間に文芸誌に掲載されて評判を呼び、【直本賞】の候補にまで上がるのだった…。

この地元の同人誌のメンバーが、如何にもこういうことを言いそうな人達が集まっていて、ビギナーズラックで作品の評判の良い市谷への脚の引っ張り合いが凄い。
人が集まるところって、こういう嫉妬、絶対あるよね。

そして、大きな賞の選考の裏側。
「これは俺の夢だから真実ではない」と言いながらも、おそらく実世界で噂になったことを映像化しているのだろう。
選考委員の作家達の中には、これはあの人だな…と私でもモデルが分かる人もいた。

筒井康隆本人もSF作家として出演していて、部数が売れていてもSF作品だと文壇が認めてくれない、と文壇バーで暴れる作家をご本人が熱演していました(心の叫びか)w。
ストーリーに捻りはないのだが、勢いがあって、そこそこ面白かったです。
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