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としごろのFilmomoのレビュー・感想・評価

としごろ(1968年製作の映画)
4.9
①少女のエロス(生命感)と、芸術を讃歌する映画であり、エロスと芸術を理解しない者を下賤として表現している。②ヘレン・ミレンの野暮ったさが孤島で無学に生きてきた、むきだしの若い命をよく表現しており、「青い珊瑚礁」「エデンの園」といった種類の作品とは異なる。ヘレン・ミレンだったからこそ、下品にも振れずに成立した美しさが感じられる。髭面のメイソンも素晴らしい。この二人の恋愛関係を中心に描かなかったのも良い。③芸術家が創造意欲を取り戻す過程が、大自然の中で生き生きと描かれ、日常を忘れさせてくれる。この映画が永遠に続けば良いのにとまで思わせてくれる。登場する2人の「下賤」は、金と欲にまみれ、芸術や生命の美を理解できない。この2人の存在がかえってメイソンとミレンの2人を神々しいものにしている。
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