ドイツ兵の目線から見た、スターリングラード戦の戦争映画です。
冒頭、イタリアの海辺の避暑地から始まる。
どうやら、この部隊はアフリカ戦線を闘いぬき、療養休暇中だったらしい。
ここで大怪我を負った小隊長が、初めて出陣するらしい良家出身の少尉と交代して、一同はレニングラードへと向かう…。
演出的には全体的にもったりしているというか、日本の戦争映画に似ています。
冬将軍の凄まじさはよく描かれてはいますが、私がダメだった所は、小隊のメインメンバー達が、皆考え方が一致していて、仲良しこよしだったところです。
小隊長の少尉は良家出身の世間知らずの若者ですが、清廉潔白な良い奴で、庶民出身で叩き上げの兵士達の側に立った発言、行動をしますし、
懲罰を受けた時も、「お前のせいだ!」などと逆恨みする奴は誰もいないし、ロシア人の子供の扱いに対しても、皆同じ考え方をしているのです。
普通は、狭い所で始終顔を突き合わしているんだから、些細な事で対立したり、小さな事で恨んだり妬んだり、しませんかね?
ジュード・ロウがロシアのスナイパーを演じた方の『スターリングラード』は、エンタメ作品といわれていても、ドイツ側の敵スナイパー役エド・ハリスや、友人のインテリ君ジョセフ・ファインズの嫉妬心など、人間の心理描写も面白かったんですが。
それに、こちらは冒頭で、「列車を降りたら2分で戦場」と、映像で端的に見せてるところがすごかったですし…。
ロシアの女性兵士の出し方も、「この人達が良い人だって事は、もう十分分かったから」と、私はイラっとしてしまいました。 "