KITAYUMASSACRE

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊のKITAYUMASSACREのレビュー・感想・評価

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)
4.5
上海を思い起こさせるような猥雑な都市や隅々にまで徹底されたSF的ガジェットのビジュアルも素晴らしいが、そのビジュアルを真似しただけの二番煎じではこの作品に追い付くことはできない。
「攻殻機動隊」はSF的な重いテーマを扱っているように見えて、非常に人間臭い哲学を語っている映画だ。
「私」は常に「私」という殻に閉じ込められている。要するに誰かが「あなたはこうだ」と言った集積が「私」というものを作り上げている(実際はもっと複雑だが)。しかし、時折「私」という殻から抜け出すことがある。ぼんやりと街を歩いているときやなにも考えていないとき..「私」という殻から抜け出せたらどんなに自由なことだろうか?
この作品は「不自由から自由になる」という映画などの芸術において繰り返し描かれてきたテーマの変奏だ。「俺たちに明日はない」や「スカーフェイス」のように、自由を目指す。それらの既存の作品と「攻殻機動隊」が違うのは、この作品では「私」が完全な自由を手に入れるということである。
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