矢吹

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊の矢吹のレビュー・感想・評価

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)
4.1
ついに手を出せた、出した、
出してしまった攻殻機動隊。
アニメの一期と二期をだらだらと、なにかしらをながら観たり、ちゃんと観たりした。
そこから作品を見る順番はいまいちわかんなかったけれど、おそらく、順番とかあんまり関係なくて、攻殻機動隊という情報をすべて並列化した際の自分の中に残った記憶がそれすなわち、攻殻機動隊という作品なんだよ。
みたいなことを言いたくなるような作品ですね。
実際全く理解してないのにも関わらずね。
わっはっは。
原作めちゃくちゃ面白いだろうな。

機械、組織、街並み、歩いている人、落ちてる物、すべての動きやフォルムなどの、設定のリアリティと、それをより期待させる書き込み、絵の、映像の総体は圧倒的。綺麗とかじゃなく、もはや怖さまで引き出される。
プラス音楽。川井憲次さん。
メインテーマは祭事を思わせる打楽器や謡、水中のような響き、スローテンポ、水の中なら音は聞こえないはずだけど、中から聞こえてるのか、外から聞こえてるのかわかんないような。
それ以外の音楽の全部もきっちりダウナー気味だし。
んで、それに伴う、作品のイメージ、シンボル。
ネット、海、雨、川、ダイブ、情報、電脳、身体、アイデンティティ、記憶、義体、ゴースト、精神、DNA、種の保存、生命の定義。
わかるようでわかんない。わかんないようでわかるカッケエ台詞。
この辺の時代の日本の劇場版アニメは本当に凄いよな。普通に誇れますね。近未来型ディストピア系の切れ味が半端じゃない。思いつくのは片手で数えるぐらいしか観てないですけども。

自分が自分であるためには驚くほど大きな情報が必要。膨大なすべてが私の一部であり私の思考であり存在。そして、私を制約に縛り続ける。
子供の時は子供の如く、話し、考え、動き、大人になれば、子供を捨てて人になる。
今我ら鏡を見るが如く、見るところおぼろなり。
鏡だと思って覗いていたものは、
もしかすると水面に映ったものだったりして。
沈んでみれば、その海で感じられるものは、恐れ、不安、孤独、闇、それからもしかしたら希望。海面に出た時、今までと違う自分になれるんじゃないか。
もしくは水中から見上げた世界は、
ただの光の乱反射。だったりして。
まあそういうことは、結局、なに考えても、今は机上の空論、水上の空論?水中の幻?です。
が、機械と人間の臨界点は、きっと現実に科学と哲学の真にぶつかるところであるから、そう考えると、できるだけ長生きしたいような気にもなっちゃうなあ。
もしかしてこれってSFの醍醐味なんじゃないですか。

ネットは広大。なんだってさ。

SACでは、今のところサイトーさん推しなので、
今回出てこなくて非常に残念でござんす。
しかし、
「素子っーーー!!」をいただきました。
ごっつぁんです!
矢吹

矢吹