ユミコ

処刑の島のユミコのレビュー・感想・評価

処刑の島(1966年製作の映画)
-
後味がいいのか悪いのか…… そんな複雑な気持ちになる作品でした。

幼いころ両親と兄をある事から見知らぬ男に目の前で殺されてしまった少年。
少年だけは運よく殺されなかったものの、やがてどこかの島に連れて行かれ、そこで家畜の世話など散々こき使われる日々を強いられたのでした。
何年も何年も働かされ、その島で家畜を飼っている人相の悪い主(……と書いておきます。三國連太郎さんが演じてます )や、周囲の同年代の子供たちにいじめられる日々。
それこそ壮絶ないじめられ方なのです。
もうこれだけでも悲惨すぎて見ていられないレベルでした。

そしてある日、ついに少年は主によって海に投げ捨てられてしまいます。
その時の少年の悲鳴……絶叫からこの作品は始まり、遡っていきます。
少年時代と、成長して大人になってからのシーンが交互に繰り広げられます。

主に殺されかけた少年は運よくどこかで助けられ島を離れることが出来ました。
少年はやがて大人になり(新田昌さん) 復讐を誓って再びあの時の島に立ったのでした。
そしてある事から自分の両親と兄を殺した男が誰なのかもわかったのです……!

三國さんの娘役の岩下志麻さんは独特の雰囲気を持つ役どころで、魅力的でした。
三國さんが演じた情け容赦ない男の役は、もう三國さん本人がそうであるかのように見えてしまいました。
それだけ三國さんが大いにあの役を演じきったということになりますし、また、彼はハマり役だったとも言えるのですが、あまりに人間離れした酷い男を完ぺきに演じてらしたので、今はもう三國さんがコワイです。特に三國さんの顔が……!
ユミコ

ユミコ