鋼鉄隊長

潜水艦イ-57降伏せずの鋼鉄隊長のレビュー・感想・評価

潜水艦イ-57降伏せず(1959年製作の映画)
4.5
購入したDVDで鑑賞。

【あらすじ】
大戦末期、和平交渉のために某国外交官輸送の任務負った潜水艦イ-57が出航する…。

「潜水艦映画にハズレなし」
終戦の日なので戦争映画を鑑賞。フォロワーさんの企画に乗っかろうかと思ったが、今回は保留。
日本の戦争映画には珍しいフィクション作品だが、物語の舞台となる潜水艦イ-57は1942年に建造が予定(翌年中止)された幻の潜水艦伊号第57潜水艦が、某国外交官ペルジェは戦争の早期終結に尽力したカミーユ・ゴルジェ(スイス公使)がモデルと思われる。
戦争映画の問題点でもある「戦争の結果を知っているので話に入り込めない」という欠点を、戦後感覚を持った人物(ペルジェとミレーヌ嬢)を登場させることで上手く解決している。最初は勝利を確信する日本兵を見下していた二人だが、日本兵との交流を通じていくうちに「日本は戦争には負けたが彼らだけでも助けてあげたい」と思う二人の願いが胸に刺さる。
また、特撮シーンは丁寧であり、白黒作品であるにも関わらずカラーフィルムを使用することで非常に綺麗な映像になっている。監督が海軍出身なのでリアルさを追求した艦内描写も素晴らしい。
改めて戦争を考えるのに相応しい戦中、戦後の人々の思いが詰まった素晴らしい映画だった。
鋼鉄隊長

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