「文革前後に国を追われた富裕層」を描くという主題が、興味をそそる作品。
しかし彼らの華麗な生活は冒頭で描かれるのみ。共産党の動きは伝聞程度に抑えられ、主に新天地(米国)に生きる姿を追う。
仕上がりはそれほど斬新ではないものの、80年代の大陸作品において欧米ロケを行い、死の香り漂う退廃した雰囲気を醸そうという試みが、面白かった。また主演女優も美しく、他の女優たちとははっきりと異なるファタール風の色香を振り撒く。
限界ギリギリ(肩まで)のシャワーシーンや、愛欲に溺れない友愛の描き方にも(当時の)中華気質が漂い、新鮮に感じられた。