ストーリーだけ見たら、家族が怪物に連れ去られた娘を救出しに行く映画でした。
ですが、作品に出てくる怪物とは、2000年に在韓米軍が大量のホルムアルデヒドを漢江に流出させた事件をヒントにした社会風刺からきています。
また、作中に登場するエージェント・イエロー」という化学兵器は アメリカ軍がベトナムで使用した枯葉剤「エージェント・オレンジ」に掛けており、アメリカ軍を風刺したものからであります。
英タイトルは「The Host」になっており、ポン・ジュノはこのタイトルについて「このタイトルが二重の意味を与えてくれることを望んでいます。ひとつは生物学的な暗示で、もうひとつはホスト(宿主)に対する、社会政治的言及です」とインタビューで説明していました。
怪物のキャラコンセプトは竹中直人やジャック・ブラックなどをイメージして作られました。
ポン・ジュノの作品に込められたメッセージを理解しないで見たら、高評価ではありませんでしたし、この事件を伝えたいというメッセージ性が強い映画でした。