ソウルの漢江に怪物出現。
その名をグエムルという。
2000年に在韓米軍が漢江に流していた、
大量のホルムアルデヒドが元ネタであって、
痛烈なる反米性のある社会風刺映画である。
本作の内容は、
単なるモンスターパニック映画ではなく、
社会風刺映画。
ある意味、グエルムはアメリカ人。
容赦なく韓国人を食っていく怪物。
もちろん、最後に怪物は倒れます。
これも社会政治的な表現であろう。
更に家族愛もテーマになっています。
娘を救う為なら父親はなんでもやる。
警察、政府、在韓米軍すら敵に回し、
家族とともに娘を救いに行くのです。
だからグエムルに同情の余地などない。
家族の怒りを一身に受けるグエルムは、
ただ生きる為に食べていただけである。
そのターゲットが運悪く人間であって、
怒りに満ちた父親や家族の報復に遭遇。
何も語らず一方的に痛めつけられる姿、
だからグエルムに同情が持ってしまう。
だから単純に意識では鑑賞ができない作品だろう。
全体的にシリアスな構成だが、
時々コミカルなシーンがある。
だけど、まったく笑えません。
なぜならシニカルな笑いです。
まったく分からない笑いです。
ただ、印象に残るのは食事シーン。
アメリカの映画ならば一悶着ある。
でも、本作は黙って食うだけです。
何もないけどインパクトがあった。
更にラストがかなり後味悪い。
アメリカならハッピーエンド。
韓国映画はそういかない模様。
あれだけ頑張って報われない。
これも反米的なメッセージか。
とにかく、
本作は現代の韓国を凝縮しており、
アメリカに対する社会的な批判が、
含まれる。
最後のシーンはキレイだけど、
どこか物悲しい雰囲気でした。
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