キミシマユウキ

グエムル -漢江の怪物-のキミシマユウキのレビュー・感想・評価

グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)
3.5
漢江から突如上陸した黒い両生類のような怪物。それは河原の人々を捕食殺害し露店の男カンドゥの娘ヒョンソを捕まえて水中へ消えてしまい……。

『殺人の追憶』『スノーピアサー』の
!!ポン・ジュノ監督!!
による韓国発モンスター映画!
彼の新作『オクジャ』をNetflixで観るために監督作を復讐。


ー産業廃棄物が生み出した化物ー


韓国にもこんなに気合の入ったモンスター映画があったとは!
CGの技術などはまだまだハリウッドに見劣りする部分があったかもしれないが充分に楽しめる作品だ。
現れた怪物 VS 国家
という構図ではなく、あくまでも焦点が置かれるのは攫われた娘を取り返すために動く家族達。
そのためただのパニック映画ではなく、家族ドラマとして観ることも出来る。
序盤衝撃の怪物登場から中盤病院脱出に掛けての流れは監督の過去作『殺人の追憶』と同じように意外とコメディチックなテンポで進んでいくので見やすい。
シリアスな流れに笑いを入れるのが好きなのかな?
そして終盤の怪物VS家族の闘いは胸アツ!
怪物のサイズが10mくらいなのもちょうど良い。
反アメリカな風刺描写もわかりやすくてカッコイイぜ。

主演は出ましたソン・ガンホ。
『殺人の追憶』の刑事よりもダメ男なのにやるときはやります。ただの売店のおっさんなのになんでこんな怪物に立ち向かえるのか不思議でならない…(笑)
そして妹役にペ・ドゥナ。
『クラウドアトラス』にもいたアジアンな美人さん。元弓道部の自分としてはアーチェリーはアンチなんだけれども、弓矢で怪物に立ち向かおうとする勇姿は痺れる。
あとはおじいちゃん役のおっさんがいい味を出してました。
とにかく今作にはヒーローがいなくて、等身大の一般人だけで頑張っていたのが素晴らしい

サスペンスだけでなく、こんな派手なモンスター映画も取れちゃうポン・ジュノさん!
さて次は遂にハリウッド進出作を鑑賞しよう!

モンスター映画好き、ソン・ガンホのダメ男っぷりを見たい方、そしてペ・ドゥナに弓矢で射抜かれたい方にはオススメの作品。