スガシュウヘイ

グエムル -漢江の怪物-のスガシュウヘイのレビュー・感想・評価

グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)
3.0
グエムルが出現し、娘をさらっていく冒頭のシーンがかなり好き。

助けるべき娘を間違えていたソン・ガンホの唖然とした表情。
その後カメラは娘とその背後から迫るグエムルをスローモーションで写し、音楽と音声は消える。
一気に娘がさらわれていくシーンにも音がない。

「動」と「静」の抜群のコントラスト。

役者の演技力と不気味なグエムルのCG、そして監督の演出力が見事に調和した、最高級のシーンが冒頭に来るわけですね!

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本作は、パニック映画とは言いつつ、グエムルの正体が米軍の危険毒物が原因だったり、逃亡する過程で露呈される国家権力の横暴さなど、当時の韓国の社会を反映しているとのことで、この辺の社会風刺には、ポン・ジュノ映画の一貫した哲学を感じる。


「なんで、誰も俺の話を聞いてくれないんだ、、!」

ソン・ガンホの悲痛な叫び。
しかしこれは、格差社会に生きる韓国国民の心の声でもあるのだろうか。


PS
やっぱぺ・ドゥナかわいい〜。
アーチェリーで戦うとか似合いすぎ!


公開:2006年(韓)
監督:ポン・ジュノ(『パラサイト 半地下の家族』『殺人の追憶』)
出演:ソン・ガンホ、ペ・ドゥナ