えいがうるふ

グエムル -漢江の怪物-のえいがうるふのレビュー・感想・評価

グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)
3.7
一見、みんなダサダサ。ヒーローであるはずの主人公は生活の貧しさだらしなさがまんま見た目に直結系の緩みきった身体にプリン頭だし、子役も天使めいた美少女ではないし、綺麗どころのはずのペ・ドゥナですらほぼ全編化粧っ気なくボサボサ頭にジャージ姿。そんな、見た目にも境遇にも全くアドバンテージのない普通の人々がさらに汗水たらし髪を振り乱して戦う様がなんとも味わい深い。対するモンスターも、あっけなく白日の下に晒される不細工さと小回りの効かない不器用さがもはや可愛い。かつ、CGなのにどことなく動きがドン臭いというか、見たまんまの予測可能さが怪物というより珍獣ぽくてあんまり怖くない。個人的には怪物よりガンドゥが拘束された病院での強引な検査シーンの方がよほどリアルに怖かった。

好きなシーンは、ナミルを助けたホームレスのおっさんが、財布を差し出すナミルの頭をビール瓶で殴るなり「暇つぶしにちょうどいい」とスタスタ率先して怪獣退治に向かうワンカット。このパンク感、かなり好き。

ところでダメおやじ役が似合いすぎのソンガンホが、マスクとフードで目出し帽状態だとやたらイケメンに見える目元ハンサムだったという大発見が。尊い。笑