アラシサン弐

キツツキと雨のアラシサン弐のレビュー・感想・評価

キツツキと雨(2011年製作の映画)
3.8
よそ者に日常生活が邪魔されて、でも満更でもない役所広司が可愛い。

二人の間に何か大きな事件がある訳でなくて、幸一くんは撮影に参加する岸さんによって責任感と自覚を自分から持つようになるし、一方の岸さんも、幸一くんとの何気ない会話の内容をきっかけに息子と向き合うことになるのが良い。

この手の異なる世代が交流を通じて互いに影響を与え合う系の作品は好きで、ただこの作品は両者が自分の考えや価値観を相手に露骨に押し付けることなく、それでいて両者が一歩前進していく様子が優しい。

撮影現場で最も緊張感が走るであろう場面に限って岸さんが不在で、その状況と対峙する幸一くんの成長度合いを見守るシーンはまるで自分の息子の仕事風景を見るかのような謎の緊張感がある。

ほとんど台詞が無いのに二人のその後が分かるラストの描写がとても良い。
アラシサン弐

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