ちろる

マンハッタン・ラプソディのちろるのレビュー・感想・評価

マンハッタン・ラプソディ(1996年製作の映画)
3.7
一筋縄では行かない、男女の恋と愛と情愛を見せる、まさしくバーブラ・ストライサンドが監督&主演らしいラブストーリー。

ロマンスに元々興味のない男性と、ロマンスを求めるものの自分に自信のないヒロイン。
凝り固まった価値観や、こだわりが純粋に構築できるはずの愛を阻み、少しへんてこりんな関係性に仕上がってしまう2人は、付き合ってそしてまもなく結婚する。

ジェフ・ブリッジス演じるのグレゴリーはちょっと理屈っぽい、トボけたオタク風味のおじさん、対してバーバラ・ストライサンド演じるのは女としての可愛らしさは皆無だが、頭の回転はピカイチ、大学の教壇でも生徒たちを虜にする根っからの才女、そんなグレゴリーとローズが織りなす少し変わったプラトニックラブなわけですが、これラブコメなんかではなくかなり切ない、そして考えさせられる人間愛について描かれた物語なんだって事を、見進めるうちに実感させられた。

2人の事がメインなのだけど、親に愛されてなかったと思い込んでいたローズが母親の本当の愛を知って、そこからは自分に自信をつけてどんどんと綺麗になっていくのはとてもグッと来る。
sexのない関係だって別に互いが望めばそれはありだし、例えばそれぞれがパートナーを作るような関係だってそれで幸せなら他は文句つける必要ないけれど、どちらかが我慢する時点でそれは永遠には繋がらない。
だって愛とはつまり対話して育むものだから

かなり展開が早くて2人の置かれてる状況も目まぐるしく変わるけど、テンポの良さと脚本の素晴らしさのお陰で始終楽しむことが出来ました。
古い映画ですが、多分他とは被らない唯一無二の素敵なラブストーリーなので、新鮮な気持ちで楽しめることができるはず。
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