三四郎

春雷 後篇 審判篇の三四郎のレビュー・感想・評価

春雷 後篇 審判篇(1939年製作の映画)
3.8
木暮実千代は『純情二重奏』の時と同じようなわがまま令嬢ぶりを発揮。最後は改心して相思相愛の二人を結びつけ自分は身を引く…お決まりのパターンだが、この松竹メロドラマらしい「女の友情」は何度繰り返されても飽きない笑 「出ました!松竹女性映画、大船調、十八番!」と微笑ましくなる。「言いたいことは全てはっきり正直にストレートに伝える」こういうタイプが登場するからジメジメした感じがなくなりスマートな作品に仕上がる。
「映画かスケート行きましょ!ね?」積極的な令嬢と控え目な女性、階級がある時代だったからこそ、この対比が際立つ。
この映画は、なんといっても弟がいい奴。三井弘次に関しては、戦後の軽薄な超テキトウオヤジの役ばかり観て知っているので、こんな善人青年役も演じていたのかと驚いた。
重い扉が開くところをじっくりと映し、刑務所から夏川大二郎が出てくるシーン。刑務所の内と外の世界、新しい未来へ重い扉を開き、新しい人生がここから始まるといった印象を受けた。興味深かったのは、三井弘次のタクシーが左ハンドルだったことだ。当時は輸入車が多くて左ハンドルが一般的だったのかしら?
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