三樹夫

賞金稼ぎの三樹夫のレビュー・感想・評価

賞金稼ぎ(1969年製作の映画)
3.8
若山先生主演のスプラッター時代劇。この映画は予告編がやたらに躁状態で、007プラスマカロニ・ウェスタンと大々的にぶちかましているが、全くその通りで、ムチを首に巻きつけられて馬で引きずられるのとか、VS片岡千恵蔵での決闘のシーンなんかはバリバリにレオーネ意識してクローズアップの多用したりして、若山先生どんだけマカロニ・ウェスタン好きなんだよという、これが子連れ狼へと繋がるんですな。
007要素で言うと、主人公は薩摩藩とオランダが組んで謀反を起こすことを阻止するために送られたスパイみたいなもんで、ジェームズ・ボンドの如く女即効こましちゃったりさ(欲しい女はパンチできめろッと予告編は煽ってた)、後、座頭市要素も入ってて、サービス精神、ギミックがてんこ盛り。手や足がぶった切られたり、多量に血が噴き出して返り血で若山先生が血まみれになったり、汐路章の脳天叩き割って血が噴き出したりと、後に子連れ狼でもやるスプラッター描写の原型みたいなことをやっている。ただ、まだ試行錯誤感があって、画のきまりっぷりに関して不安定なところがあるし、スプラッター度も気持ち大人しめ。
ギミックで言えば、こいつらどうやって日常生活送ってんだみたいな奇怪な殺し屋。この映画では汐路章とかがやってるんですけどね、でもこの映画はまだ大人しいほうで、こういうのも過剰化していって、奇形とかにまで行きますからね。他にも、主人公どんだけ武器仕込んでるんだっていう、なんかもうガンダムWのヘビーアームズみたいになってます。兎角楽しい要素満載の娯楽映画。

現在では、こういうスプラッター時代劇のフォロワーは山口貴由先生なんですよね。っていうか時代劇自体寂しい状態だし。シグルイや衛府の七忍の中にその影響が見られる。
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