ツーラン

君に届けのツーランのネタバレレビュー・内容・結末

君に届け(2010年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

 アバンタイトルの10分は、主人公のヒロインの生まれたときから貞子と呼ばれて怖がられるまでの少女時代が描かれてバックストーリーを一瞬で説明しているのが上手かったです。ここだけで主人公の背景がわかりました。

 高校入学しても主人公は周りからバカにされますが、主人公は真っ直ぐな心の持ち主で「霊感ありそう」と言われれば「霊感なくて期待に答えられなくてごめんなさい」と謝る始末。
 話は、主人公と爽やか君の三浦春馬くんのラブストーリーになるのかと思いきや。暗くて友だちのいない主人公に友だちが出来るまでを丁寧に描いていきます。主人公に友だちができますが、クラスメイトが主人公といると友達の悪い噂がたっているのを知ってしまい。何も言わず距離を置こうとして友だちとギクシャクしてしまいます。
 これはタイトルにもなっている「君に届け」で言わないと本当の気持ちはわからない。君に届かない状態が続いて、主人公が苦しくなっていく。ボクが最も感動したのは、友だちと距離を置いて苦しくなっているときに三浦春馬くんが「君だったらどうする? 勝手に友だちが距離をとったら」という質問に主人公の多部ちゃんが泣きながら「そんのイヤです」と答えるシーンでした。めちゃ、共感してしまい泣きそうになりました。そして、クラスメイトが友だちの悪い噂を流してるのを聞いて謝罪を求める主人公。そこで友だちと再び友情を取り戻します。ここもなかなか感動的。

 多部ちゃんと三浦春馬くんを引き離そうとする桐谷美怜さんが登場しますが、ただ悪いヤツではなく。桐谷さんは桐谷さん自身で悩んでいる描写もあって、これはこれで良いキャラクターでした。

 そしていよいよ後半1時間は多部ちゃんと春馬くんの気持ちを通じ合うシークエンスになりますが。見ている観客はもう2人の気持ちはわかっているのに、この2人は「君に届かない」状態。もう告白しろよ! と応援する気持ちで観てました。クライマックスは花火大会という、これまたTHE高校生。というシーンでよかったです。「私、やっぱり気持ち伝えたい」と「君に届け」状態になって駆ける多部ちゃん。「行けー!」と声援を送ってしまいました。

 にしても、多部ちゃんは可愛いし。三浦春馬くんは、最高の爽やかさを出していて最高でした。これが嫌味になってないのが素晴らしいです。笑顔でスローモーションされたら間違いないっつう。

 悪人が出てこない漫画みたいな展開ですが、主人公を応援したくなること間違いない映画でした。
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