竜平

プラトーンの竜平のレビュー・感想・評価

プラトーン(1986年製作の映画)
3.9
1967年、ベトナム戦争に於ける実態を若き志願兵の視点から描いていく。オリバー・ストーンが贈るTHE 戦争映画。

最前線の小隊「プラトーン」に配属される志願兵の若者テイラーが目の当たりにする現地での日常というものをリアリティー溢れるタッチで映し出す。常に死と隣り合わせの状況、繰り返される自身への問いかけ、そしてそんな中で出てくるのが過激な者たちとそうでない者たちによる衝突。他国との戦闘よりも自国の者同士の内輪揉めに焦点を当ててるあたりアメリカ産の戦争映画としてはちょっぴり新鮮。原住民に対する非人道的な行いなどその状況は完全に狂気に満ちてるし、そんな極限状態の中で人間性を保てるか、これを観客側も頻りに問いかけられる感じ。ポスターなどにもなっている有名ポーズのあのシーンはとくにこの作品に於いての強いメッセージとなってるんじゃないかなと、まぁそこは自分の目で確かめてほしいところ。

志願兵テイラーにチャーリー・シーン、軍曹にトム・ベレンジャーやウィレム・デフォーなど。ちょい役でジョニー・デップやフォレスト・ウィテカーも。戦争に於ける「正義」ってなんなんだろうか、というか正義なんてどこにもないんじゃないか、なんて思う。そこにあるのはきっと劇中でも言われるように「自分自身との戦い」。いいことなんて何もない。戦争、絶対ダメ。
竜平

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