すいか

プラトーンのすいかのレビュー・感想・評価

プラトーン(1986年製作の映画)
4.2
戦争、しかもその最前線という想像を絶する非日常の中では、正義だの常識だの、どんどん壊れていく。
大学中退のインテリ新兵は、その矛盾を感じながらもその狂った世界の中で戦う。

負けると予感しながら、戦った人々の虚しさ。もう家族と会えないかもしれない、生きて帰ることができないかもしれない。そういう思いは、お酒とか大麻とかでも紛らわせないほどつらいということが伝わってきた。

話はそれるが、第二次世界大戦を戦った日本兵は、アメリカ軍の装備、食料に到底及ばない粗末なものしか与えられず、先の見えない泥沼の戦いを強いられた。本当に辛かったと思う。その思いは、もう想像することしかできないけれど、生き残った彼らが繋いだ命で私が生きているということを、改めて感じた。
変に英雄もいないし、戦争の愚かさがしっかり描かれた作品。スクリーンで観られてよかった。
すいか

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