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プラトーンのryosukeのレビュー・感想・評価

プラトーン(1986年製作の映画)
3.6
正直映像にはこだわりが見えず面白みがないので、暴力や戦闘の無いシーンはつまらない。戦闘シーンもカットバックで緊張感を出そうとする演出が一辺倒でイマイチ迫力がない。繰り返される叙情的な劇伴も若干しつこさを感じ、音楽で何とか見ごたえを出そうとしてる感は否めない。
人物描写も薄いので彼らの個性が掴めず、死んでいく一人一人の姿にもイマイチ何も感じられない。
ラストにナレーションで教訓を語るのもなあ。
同じベトナム物の「フルメタル・ジャケット」や「地獄の黙示録」と比較してしまうのもあるかも。
まあ主題が強いので結局そこそこ引き込まれるんだけども。村のシーンの凄惨さは流石にキツイ。
クリスを殺そうとするバーンズの目が印象的。
ドラッグをやるシーンでクリスとエリアスの間の同性愛的な仄めかしがあるように思え、これが復讐の動機づけの一つだろうか。
白人黒人間のコンフリクトも描かれる。
「自信家だった、1965年までは」と語るエリアスはベトナム戦争以降の合衆国、「俺が現実だ」と豪語するバーンズはベトナム戦争以前の合衆国をそれぞれ象徴しているように思われる。ラストのナレーションで語られるように、常に社会全体を案じるクリスはその中間を演じ、彼の姿に「これからの合衆国」が委ねられている。
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