停滞

モラン神父の停滞のレビュー・感想・評価

モラン神父(1961年製作の映画)
4.0
レジスタンスで未亡人のバルニー。タバコ吸わないし拳銃も使わないしろくに走りもしないベルモンド演じる素晴らしきモラン神父。

モラン神父との議論を主旋律に、それを占領の状況や職場での出来事などの副旋律が支え、全体が無駄なく調和している感覚。徐々に変化して行くバルニーの考え・心情というのがほんと見事に描写されている。人間の堕落みたいなものも表現されているように思う。

会話で語るシーンも良いけど、映像的に語るシーンもよく、二人の間に一線を引くかのごとく、モラン神父が薪割りの斧を思いっきり土台に振り刺すシーンが好き。屋根裏を片付ける中で運ぶ運動の繰り返しから抜け出るかのように改心するという演出もいい。こうでこそ映画だ!って言いたくなる。
停滞

停滞