モラン神父の作品情報・感想・評価

「モラン神父」に投稿された感想・評価

第二次大戦中のフランス、イタリア軍の占領下にある小さな町に幼い娘と住む未亡人バルニー。
宗教に懐疑心をもち無神論者である彼女はある日気まぐれに教会を訪れ、告解室で若き神父レオン・モランに議論を投げかける。
モラン神父は挑発的なバルニーに対し真摯に受け答え、本を貸しましょうと約束する。
そうして神父の元を訪れては、二人は神の教えについて対話を重ねていく。

ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品は『リスボン特急』しか観たことが無いのだけれど、今作もツボ。
こんな言い方はなんだか不謹慎というか、相応しくないような気もしてしまうのだけれど、面白かった。
題材が題材だけに、しかつめらしく取っ付き難そうなイメージを持って観始めたせいもあって嬉しい誤算。
例えば私がカトリックであったらまた違ったのだろうけれど、バルニーと同じ無宗教であるが故にまるで私もモラン神父と議論を交わしている様な気分になっていて、やり取りを聞いているのが楽しかったのです。
神父とは言っても若く柔軟なモランは、バルニーに対する言葉の切り返しもどこかユーモラスで、敬虔さの中に少し遊びがある。
そんな軽快さと真摯さを併せ持った彼にバルニーが次第に惹かれてしまうのは無理も無い話。
背徳感が気持ちを高ぶらせる。
彼女が思い悩み現を抜かしてしまう描写はまるで喜劇のようで、シリアスさと笑いというのは割と紙一重だなと改めて感じた。
クスっと笑わされ油断していると、印象的に使われる刃物や神父の言葉にハッと緊張させられたり。

何と言ってもモラン神父を演じるジャン=ポール・ベルモンド!!!
何でしょう、この色気。
彼が魅力的過ぎて、私なら初っ端から不純な気持ちが芽生えて即懺悔しなきゃいけない羽目になるとこだ。
あんな目でじっと見つめるなんて罪深い!!
ベルモンドって特別顔が整ってるという訳でもないのですけれど、格好良さがジワジワ効いて結局ノックアウトされちゃう・・・。
体の距離としては近くに居るけれど、確固たる信念のもと違う次元にいるのであろうモラン神父。
これまでに観たベルモンド作品の中でもかなり好きな役柄!

エマニュエル・リヴァの情熱的な部分とそれを心の内に抑え込むような演技も素敵で、涙する姿はとても美しかった。
妙に感情移入してしまったので、彼女を見ていると胸が締めつけられるような思いでいっぱいになった。
ただ時折登場する娘のおしゃまな様子が愛らしくて、少しほっこり出来たな。

モラン神父はバルニーを“救済”しようとしていたのでしょうけれど、それ自体があの切なさを生み出す要因となったのであれば、一体救いをどこに見出せば良いと言うのか。
未熟な私は“人間の頭脳”で考えてしまうからでしょうか・・・まだまだ答えに到達出来そうにありません。
Ricola

Ricolaの感想・評価

3.9
イタリア占領下のフランスのある小さな町が舞台。
神を信じていないという女性が、モラン神父に出会って会話を続けるうちに彼女の心の中にある変化が生まれる…。


禁欲的な文体で描かれており、常に緊張感を身にまといながら観ていた。

モラン神父を演じたジャン=ポール・ベルモンドの丁寧で上品ささえ感じる演技は、わたしの知っているベルモンドとは違ったので彼の新たな一面を見れた気がして嬉しかった。

そしてさすがメルヴィル監督、光と影を駆使した見せ方が美しい!特にモラン神父の部屋でのそのバランスが素敵だった。

あと印象的なのは、ヒロインの女性が屋根裏部屋(多分)で呆然として座っているシーン。
光の差す加減が絶妙で見とれてしまった。

冷静沈着で気品があるモラン神父はたしかに魅力的だった。そして彼のニュートラルな考え方にも惹かれる理由はわかる。

女性の苦悩と神父の実直さが対比的に描かれていた。
特に女性の心の機微にフォーカスされると観ていてなんだか苦しくなった。だけど映像の美しさとモラン神父の人格者ぶりが神々しくて、そのバランスが面白かった。

わたしも俗に染まっている身として、女性に少し感情移入して観てしまった。
ミノル

ミノルの感想・評価

3.2
ベルモンドだからこそ最後まで観れた映画。正直違う配役であったら観きれなかった。

今までゴダールやフィリップ・ド・ブロカの映画でベルモンドを観ていたので、神父役でさらにこのような演技では、少し物足りない感じ。
しかし所々にベルモンドだからこそという動作、セリフがあったのでよかった。

もう一度観たいとは思わないが、ベルモンドファンとしては観てよかったと思う作品。
宗教に詳しければもっと楽しむことが出来たのかもしれない。

印象に残っているシーンは、
階段を登っているエマニュエル・リヴァとベルモンドが会う所ぐらい。
h

hの感想・評価

3.1
2018/12/14
悪くないけどよくもない、議論が散漫
ベルモンド!!!
s

sの感想・評価

3.6
あれ、メルヴィルの借りなかったっけ?って戸惑うくらい違った
ピエロの印象強すぎて まあでも神父になってたか
神父になって女落として焦らしまくるプレーにも見えるくらいピエロ
monaminami

monaminamiの感想・評価

4.2
聖と俗、男と女、女と女。
溢れ出てしまう色男J.P.ベルモンドと凛と美しいエマニュエル・リヴァのやりとりが戦争も宗教もそっちのけ!で恋する様がなんとも人間くさくて、縮んだり離れたりの距離感や、薪を切る鉈や何故かテーブルにあるナイフとかの刃物使いがドキドキした。
otom

otomの感想・評価

4.1
ムラムラしちゃっても耐えるエマニュエル・リヴァ。姦淫の罪云々は置いといて、単純にグッと耐えてるところがイイ。無神論からの改心、からのムラムラと云うジレンマ。ムラムラする。対して段上でキリっとするベルモンド。信仰心のレベル表みたいな一本だった。良作。
話にはまったく興味が持てなかったのに楽しんで観れた作品でした。

カットワーク・カメラワークが新鮮でした。物語的な要請で俳優の動きが少ない分、カメラが動いてたんでしょうか。
構図はとてもオーソドックス。この時代の映画らしい目が退屈しない情報量の多さ。
そして細かい心理描写。というか推測させる心理描写。良作でした。

モラン神父はヒロインにとっては誘惑する悪魔でもありましたね。
階段のシーンが(特にラスト)印象に残る映画でした。
ベルモンドのプレイボーイじゃない役を初めて見た。

にしてはボディタッチ多無い?
>|