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マイレージ、マイライフのクレセントのレビュー・感想・評価

マイレージ、マイライフ(2009年製作の映画)
4.1
妹の結婚式に出席した主人公のG.クルーニー。ところが当日になって、妹のフィアンセが突然キャンセルを言い出した。途方に暮れた姉がクルーニーに言った。あんたが兄貴として行って説得してくれる?普段お義理にしてたんだから。えー、俺が?俺って独身だぜ。しかし次のようにこの場面はなかなか説得力があった。閉じこもったフィアンセのところへ行くと、彼はこう言ってきた。昨夜ベッドに入っても眠れなくてね。結婚のこと初めて考えたんだ。家を買って、一緒に住んで、子供ができて、クリスマスや感謝祭、フットボールの観戦。そして子供は卒業、就職、結婚。孫ができて、俺は引退して、髪は薄くなり、太ってね。そして死ぬ。そんな人生に何の意味があるんだろうとね。意味があると思うか?これでいいのか?そういわれてクルーニーは、だから俺も結婚はしないのさと思いながらも、一生懸命考えてこう言ったのだった。結婚式ってものは世界一美しいものだよ。だから皆な望んでる。俺は助言なんかできる立場じゃないが、君のいままでの人生で幸せだと思った時って独りだったかい?いや、いままで誰かに居てほしいと思ったことは無いのかい? 結婚するってことは副操縦士をもつみたいなもんだよ。誰かに支えてもらいたいとき、喜びを一緒に分かち合いたいときのようにね。そう言いながら彼はふと自分が結婚してみたい気持ちになったのを感じ始めていた。フーン。人に説教しながら自分が説得されることってよくあるが、まさにそういうこと。何気ないシーンだけどつい本気で考えてしまった。これでいいのだろうかとね。
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