Kaoru

マイレージ、マイライフのKaoruのレビュー・感想・評価

マイレージ、マイライフ(2009年製作の映画)
3.2
まずはこの作品の映像のセンスが素晴らしいと思います。特にオープニングのシーンは必見です。

この作品の原題「up in the air」は"機上の人"という意味と"なかなか決断できない人"という意味があるということを頭に入れると、なるほどぉ〜となるかもしれません。

マイレージを貯めることに生き甲斐を感じている主人公は、解雇宣告を生業としている高給ビジネスマン。どんな経営者だって家族を持っていたり、社に尽くしてくれた人間にクビを言い渡すなんて辛い仕事であって当然。解雇宣告人というのは、それに代わって言ってあげるという仕事なのだけれども、そう言うほど簡単なことではない。泣く者、怒るもの、自殺をほのめかすもの。そういう人たちの感情を冷静に慎重に扱いながらケリをつけさせていくという仕事。ところがこの仕事をしているご当人が自分の人生にはなかなかケリがつけられないという話で、これからどうなるのかと気になり引っ張られるところがこの作品の優秀なところだと思います。

あのような終わり方というのは今現在のアメリカの経済的な背景に考慮したものなのかなぁとも思いますし、とても良かったと思います。
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