にゃんこむ

マイレージ、マイライフのにゃんこむのレビュー・感想・評価

マイレージ、マイライフ(2009年製作の映画)
3.5
リストラ代行企業に勤め、毎日毎日飛行機に乗り各地を飛び回り人の首を切る会社員の男性と、社内改革を進めたい新人女性社員のコメディドラマ。
深く考えずに見ると『プラダを着た悪魔』のような、自分のやり方を貫き通す上司VS業界を知らない若手新人のドラマなのですが、それにしてもブラック過ぎる……。リストラする側のドラマなので、リストラされる側に対しての救いの余地はまったくナシ!

○ライアンは人事コンサルタント会社に勤めており、客先に代わり従業員に解雇通告を行なうため、日々各地を回っていた。一年の大半を出張で過ごし、家にも帰らず、もちろん家族も持たないライアンは、そのことを不遇とは思っていなかった。むしろ自身の人生観に関して講演を行なうほど確固たる信念を持ってその生活スタイルを築き上げていたのだ。
ある日、会社のオフィスに社員達が呼ばれ行ってみると、若手女性社員のナタリーがプレゼンを行なった。膨大な出張費を削減すべく、テレビ電話による業務に切り替えよう……と。面と向って従業員と接する今のスタイルを変えたくないライアンだったが……。

私は年に1,2回飛行機に乗るくらいなので、ライアンがてきぱきと荷物を用意し、颯爽と空港の諸手続きを済ます姿は見ていて爽快でした。

前述した通り、『プラダを着た悪魔』のような上司と部下のドラマだったり、中年の恋だったり、親兄弟との家族ドラマだったり、自身の人生観だったり、色々な要素が詰まった作品です。

個人的に惜しいと思った部分は、ライアンやナタリーが最初から最後まで”首を切る側”だということ。”首を切られる側”はあくまでこの作品のストーリーを彩る一部でしかないんです。
特にライアンには、一度首を切られる寸前くらいまで行ってもらって、何かリアクションが欲しかったなぁと思いました。

含みを持たせた終わり方は結構好き。
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