あなたの” 妥協 “はどこから？
私は愛から。
主人公は年間322日も出張している男ライアン。彼の人生哲学はいわば妥協、悩みの種やストレスになりかねないことは一切自分の人生に持ち込まないという姿勢を取っている。このことを彼は自身の講演でバックパックになぞらえて語っている。
確かに妥協をせずに理想を詰め込みすぎると人はいっぱいいっぱいになってしまいその結果いざ大事な” 星 “を見つけた時に捕まえそびれてしまう。ナタリーが多分そういう理想重視人間の典型。
しかし厄介なのは妥協の線引きは大人になるほど曖昧になるということ、結果どんどんどんどん大事なものまでバックパックから捨ててしまう、ライアンみたいにね。それはきっとほとんどが愛だとか家族だとか普遍的なもの。
最後にライアンがスーツケースを捨てたのはきっと妥協と理想との決別の証なんだと思う。
エンディングテーマの歌詞「自分らしく」
観る人の年齢や人生観によってさまざまな解釈が広がる哲学映画。そして誰かと話す時に一番盛り上がれるタイプの映画という印象。
