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インベージョンのkuuのレビュー・感想・評価

インベージョン(2007年製作の映画)
3.4
『インベージョン』
原題 The Invasion.
製作年 2007年。上映時間 99分。
ジャック・フィニィの傑作古典SF「盗まれた街」を映画化したSFサスペンス。
4度目の映画化となる本作品では、息子を未知のウイルス感染から守ろうと必死で戦う母親にスポットを当てる。
才色兼備な母を熱演するのは『ムーランルージュ』のニコール・キッドマン。
その友人役を『007/カジノ・ロワイヤル』のダニエル・クレイグが演じている。ワシントンDCの不気味な静けさや、迫力のカーアクションなど見どころも満載。
余談ながらニコール・キッドマンの役名は、1978年の映画『SF/ボディ・スナッチャー』のドナルド・サザーランドの役名(マシュー・ベネル)と同じ姓で、キッドマンとサザーランドは『コールドマウンテン』(2003年)で父と娘を演じている。。。どうでもよかったです🙇‍♂️。

ある日、米国でスペースシャトルの衝突事故が起き、国中が大騒ぎになる。
そんな折り、精神科医キャロル(ニコール・キッドマン)の元夫(ジェレミー・ノーサム)が、急に息子との面会を要求してくる。その突然の変化が気になった彼女は友人のベン(ダニエル・クレイグ)にも相談し、息子を元夫に会わせることにするが。。。

今作品は意外にも意外。
期待をはるかに超えるものやった。
最初は『ボディ・スナッチャー』のリメイクということで、あまり乗り気では観てなかった。
しかし、幸いなことにストーリーを進化させ、登場人物を変え、状況を変え、メッセージを全く変えて、映画を存続させてた。
実は、今作品のテーマは、オリジナル映画と正反対に解釈できるかもしれない。
原作は、当時台頭しつつあった共産党に見られるような(個人的にはそうは思わないが)無個性の危険性を謳ったものやったと記憶してるが、今作品は、自分自身とその行く末に注意を払う必要があるというメッセージを発している。
今作品には、いくつかの問題点があった。
まず、慌ただしい編集のせいで、今何が起こったのかわからない瞬間が多々あって、ある瞬間、登場人物たちが部屋に座って話していたかと思うと、次の瞬間には車で通りを疾走している。
この工夫は、様式美を追求するためか、あるいはサスペンスとして視聴者を飽きさせないためか、どちらかだと思うんやけど個人的には如何なもんかとは思う。
また、主人公が常識的な人間ならやらないようなことをやりがちな点である。
そして最後に、現実にはありえない、そうやんなぁちゅう題材や状況を軸にした、極小のプロットホールである。
全体としては、ハっラハラドっキドキさせられる映画にはちがいなかったんやけど。
サスペンスもあり、アクションも少しあったし個人的には悪くはなかった。
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