家族と珊瑚の養殖というテーマをどちらも丁寧に扱ったが故に少し散漫になってしまったのは否めないだろう。視点が二つあるが故に物語の緩急がうまく機能しなかったように思える。実話故に気を使った部分も恐らくはあったのだろう。Cobaの音楽も少々大味すぎるように映る。
しかしながら、本作での長回しやロングショットの効果は目を瞠るものがある。長回しの緊張感が物語を引き締め、アップとロングの使い分けがリズムを生む。扉の開閉のon/offも興味深い。
「芸人が主演の映画だし・・・」と通り過ぎるのは少々勿体無い作品