似太郎

ポーラXの似太郎のレビュー・感想・評価

ポーラX(1999年製作の映画)
4.6
昔観て「うわぁ、ヤベエもの観ちゃったなぁ」と半ば後悔(?)した作品。現代思想とか、何も知らないぼくにはあまりにもハードコア且つ前衛的過ぎた。

原作はハーマン・メルヴィルの『ピエールの森』。ポストモダン小説の始祖と言われているらしい。が、あまり読む気がしない。

主演の故・ギョーム・ドパルデューは名優ジェラール・ドパルデューの息子さん。何故か早逝された。彼の気合の入ったSEXシーンを観るだけでも価値のある映画と言える。

正直、レオス・カラックスの極端なシネアスト的誇大妄想に2時間以上付き合わされている感じで心地良い作品とは言えない。だが一種の『問題提起』として本作を観る分には「あーでもない、こーでもない」と色々解釈可能な映画なので、そういったコンセプト自体は成功しているように思う。

いわゆる映画的なテクニック(若しくはレトリック)を見せつける為の作品であり、内容だけ追うと頗るショボい。だから普通のリョーシキ的な観客からはソッポ向かれるという不遇な作品である。その手のポスモダ映画の悪い見本のような気もするが。😥

本作を観るとタランティーノや黒沢清がまだ「平凡」に思えてくる。それくらいガチガチな前衛極左系映画。やはりフランスという国は革命とかテロが好きやね。⛑
似太郎

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