菩薩

ポーラXの菩薩のレビュー・感想・評価

ポーラX(1999年製作の映画)
4.1
官能的で性的な序盤から狂気的で陰鬱な後半へとただ堕ちていく、破綻と破滅にひたすら流されていく、しかしピエールにとってそれが「真実」なのだとしたら、その不安定な世界に投げ出された彼の姿を最後まで見届ける義理が我々にはある。粉々に砕け散った扉の先にあったのはがらんどうの空間、この世を飛び越えた先にあったのはただの虚しさ、彼の内面世界も結局はただのからっぽの世界でしか無かった。光があれば闇があり、生があれば死があるのがこの世界の真実なのであれば、妄想と混乱、そしてただの模倣を越えた先にあるものは一体何か、その二つの魂の行き着く先は。「光の中へ」、そして「森の外へ」、片割れ同士の魂が暗がりの世界で身体を交わし、そして世界は砕け散る。


Einstürzende Neubauten/Halber Mensch(半分人間)
菩薩

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