KnightsofOdessa

奇跡の丘のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

奇跡の丘(1964年製作の映画)
3.5
[] 70点

確かラドゥ・ジュデ『Bad Luck Banging or Loony Porn』第二部の[クローズアップ]の項目で、"司祭やファリサイ派の人たちにファシストっぽい顔を選んだが、実際の演者は共産党員や労働組合員だった"と紹介されていた。後半の内容は置いといて、それくらいクローズアップは多用されていた。個人的にパゾリーニは10年くらい前に観た『ソドムの市』と『テオレマ』以来三本目なんだが、なんかこう…真面目(?)な内容で感心してしまった。キリストに対する興味があまりないような冷めた距離感が良い。愛着がないからこその冷徹さで事実を並べていく感じ。しかし、老聖母マリアは自分の母親が演じてるので意外とそうでもないのかも?前半のだだっ広い砂浜とか丘みたいなとこで話が進むのはブリュノ・デュモン『ジャネット、ジャンヌ・ダルクの幼年期』っぽかった。あと、十二使徒が集まったタイミングで"小ヤコブ"と呼ばれた時にカメラが"えーとどこいたっけ"と一瞬逡巡するとこ好き。
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