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カストラートのdanyboyのネタバレレビュー・内容・結末

カストラート(1994年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

かつてボーイソプラと成人男子の声量をあわせ持つために特殊な方法で去勢された歌手カストラート。実在した中で最も有名なファリネッリ(カルロ)の苦悩と栄光を描く。

一心同体の兄リカルドの作曲した歌で喝采を浴びながら、敵対するハイドンの芸術を尊敬し借金取りに追われる彼をマエストロと呼ぶところが良かった。
ハイドンもまた兄弟に聴衆を奪われ窮地に立ちながら、リカルドの曲にアドバイスをして励ます。
利害を越えて芸術を認め合う姿が心地よいです。

歴史背景や人物関係を知らないのでストーリーが分かりにくかったのだけど、好きな「私を泣かせてください」がでてきてやっと「えーと、ハイドンって、あの”ハイドン”なのね!」と感動。
今や生身の人間ではなし得ないその歌声は男性と女性のオペラ歌手の声の合成によるものだそうで、歌唱シーンはほんとに美しかったです。
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