deenity

シークレット ウインドウのdeenityのレビュー・感想・評価

シークレット ウインドウ(2004年製作の映画)
3.0
ミステリー小説の巨匠、スティーブン・キング原作の作品。主演はジョニー・デップ。と来れば自ずと期待値は上がってくるわけですが、全然でしたね(笑)

一人の小説家を演じるジョニデ。しかし突然自分の作品に盗作の疑いがかけられる。身に覚えのない疑いを晴らすため試行錯誤するが、盗作されたと言い張るシューターの嫌がらせはエスカレートしていく。

まずこの手のミステリー作品としてあってはならないオチが見え見えという失態を犯しております。むしろ逆に用心深く「いや、まさかそれはないでしょ。」と深読みし過ぎて肩透かしをくらう人もいるようで。それくらい作りとしてはわかりやすい作品です。



ここからネタバレを挟ませてもらいますが、彼のもう一つの人格として登場しているということは、結局彼の理想という形で自分にはできないことをやっているわけですかね。それとも猟奇的なヤバい人格ということでしょうか。それはあの人格がどの時点から誕生したか、ということが大きいと思うんです。もし浮気現場を目撃した衝撃で生まれたなら復讐という目的のために行動するならわかります。しかし、だとしたら愛犬を殺したり弁護士などを殺したりするのは動機不明で違和感を覚えますし、もし異常人格とするならば、それまで周囲の人はそのことを知らなかったのか、という点で疑問が残ります。
あの小説も潜在的に妻を殺すつもりだったのか。それとも自分の作品に寄せた殺人に繋げたのか、はっきりしません。

オチははっきり言って読めます。ただ見せ方は面白かったと思います。シューターのくだりとか小説の一節と関連していたとか、ジョニデの演技も自身の別人格と気付く辺りで本領発揮している感じがしました。多様な役を演じ分けられるのが彼の最大の魅力だと思うので。
だからこそもっとしっかり伏線を拾うような、あっと言わせるミステリー作品に仕上がっていたらな、と悔やんでいます。
deenity

deenity