スガシュウヘイ

ロング・グッドバイのスガシュウヘイのレビュー・感想・評価

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)
3.5
ロバート・アルトマン監督の最高傑作のひとつと言われる本作。しかし、
原作とのイメージや結末の違いから、公開当時は不評だったとか。

「原作と違う」という批判って、今も昔もあったんですね。


マーロウ役のエリオット・グールドがとにかくカッコいい。タバコを吸いたくなりますね!こんな風に生きてみたかったと、心から思います。
松田優作があこがれた男!
かっこいい!


さて、本作ですが、まず驚きなのは冒頭の猫ですね!猫にどうやってあんな演技をさせたのか謎。アルトマンマジック炸裂。

また、犬が交尾をしているのに、カット寸前でメスが拒否するシーンもあった。「もう撮影は終わったのよ!」 と、メスは言っているのだろうか。アルトマン監督のユーモアセンスはもとより、犬にこのような演技をさせるのが、すごい。最後のワン!がなければ偶然なのかもしれないが、これは絶対に演技させてますね。


ただ、この犬の交尾を筆頭に、意味のわからない演出が多い。しかし、本作肯定派の私は、この意味のわからなさ、意味のなさがとても好きなのです。


とかく頭いい人の映画って、なんでも意味をつけたがるでしょ。伏線をきっちり回収して、メタファーなんかも抜群で。ってそういう映画もいいんだけど、なんか疲れてしまう。攻略本がないと見れない映画ってなんだかなぁ。


現実世界だって、最近は何にでもアナリストがいて、なんだかんだテレビやネット記事で解説してますけど、そんなに「理由」って知りたいかな?


わたしはアルトマン監督の無意味な演出好きですね。それで結局、猫はどうなったのっていう感じね。



というか、ぐだぐだ長文を書いておいて、結局、犬と猫の話しかしてない。せめて、エリオット・グールドの話をするべきだった。
うーん、レビューを書くって難しいなぁ。


P.S.
人から言われて気づきましたが、チンピラのひとりに、アーノルド・シュワルツェネッガーがおりました笑(!)


製作:1973年(米)
監督:ロバート・アルトマン
出演:エリオット・グールド