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ロング・グッドバイのsonozyのレビュー・感想・評価

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)
3.8
私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とするレイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説を映画化した作品。

ハードボイルド=ハンフリー・ボガート的な渋い男のイメージを持っていたんですが、さすが70年代テイスト、まったく想像と違いました。

このマーロウ(エリオット・グールド)の演技で、松田優作のキャラが設定されたと言われるのに納得の、独特のキャラなんです。

冒頭、ジョン・ウィリアムズによるジャズが流れる中、マーロウが朝3時にお腹すかせた飼い猫に起こされて、キャットフード買いに行くあたりから、やられます。笑

まず、シュールなのが、マーロウが住む不思議な構造のアパート。その隣人は昼も深夜もなぜかベランダにいて、上半身ハダカでヨガ、ダンス、宇宙との交信?してるヒッピー・ムーブメント的な女性グループ(たまに男性もいる)。彼女たちはストーリーにはまったく絡まず、妙な存在として何度か出てきます。笑

犯罪モノなので、もちろんストーリーはしっかりあるんですが、推理ドラマ的に伏線を追ったりしていると肩透かしされるし。
極悪非道な奴らも出てくるんですが、こいつらも追い込みが甘いし。(このメンバーに無名時代のアーノルド・シュワルツェネッガーもいました。セリフ無しで筋肉見せるだけ。)

ラストも、こうなっちゃうんだ的展開&妙にポップな音楽。

何とも不思議な魅力満載な作品でした。笑
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