TaiRa

大統領の陰謀のTaiRaのレビュー・感想・評価

大統領の陰謀(1976年製作の映画)
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『ザ・シークレットマン』や『ペンタゴン・ペーパーズ』の予習として。アラン・J・パクラの監督作は初めて観る。

ワシントン・ポストの若手記者二人がウォーターゲート事件の真相に迫って行く。画面内で起こっている事は終始地味だが全く飽きない面白さ。ロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマンのファーストコンタクトがさり気なくも丁寧で良い。二人の間に柱があるのも空間の使い方に工夫がある。編集部のあちこちに赤、青、黄色の配色が施されているのも良い。室内での人物移動を捉えた撮影も素晴らしく、特にレッドフォードとホフマンが編集部を横断してエレベーターまで走る場面の撮影が凄い。夜の濡れた路面の艶かしさも最高だし、地下駐車場の怪しげな照明もクール。特殊なレンズで奥と手前の二箇所にピントを当てたショットとその後のズームも印象的。電話で話すだけのシーンも見所になる。撮影は巨匠ゴードン・ウィリス。世間に知れ渡って以降の展開はラストに文字だけで扱うのも思い切りが良い。ニクソン辞任から2年後に公開。

今作ではジェイソン・ロバーズ、『ペンタゴン・ペーパーズ』ではトム・ハンクスが演じたワシントン・ポストの主幹ベン・ブラッドリーの息子、ベン・ブラッドリーJr.は『スポットライト』に登場するボストン・グローブの部長。
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