あおや

大統領の陰謀のあおやのレビュー・感想・評価

大統領の陰謀(1976年製作の映画)
3.9
アメリカ初の大統領辞任にも繋がることとなる巨大政治スキャンダル「ウォーダーゲート事件」を題材に、事件を調査したワシントンポストのジャーナリスト二人の手記を基にして作られた作品。主人公二人はロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマンがそれぞれ演じている。

信念を持ち、プロフェッショナルとして働く人間は格好いい。本作の主人公ウッドワードとバーンスタインも信念(自らが信じるジャーナリズム)を持ち、記者として粘り強く戦う姿にはまさにプロフェッショナリズムを感じた。
また、巨大権力を巻き込むこのスクープは当然新聞社にも相当なリスクが伴うわけで、責任者として二人を後押ししたブラットリー編集主幹もまた記者として戦ったプロフェッショナルである。
証言を明言させるのではなく、さまざまな方法で確認だけとる方法はかなりリアル。時代を感じさせるタイプライターの使い方も上手かった。

アメリカは各新聞社や放送局が自らの主義主張を公にしている。一方で日本のメディアはどちらかといえば中道で当たり障りのない報道が多い。一概にどちらが正解とは言えないが、各々が自らの信念(ジャーナリズム)を持って報道に向き合うことこそがベストなのかもしれない。

この作品は題材からしてかなり好みでとても面白かったので関連作『ペンタゴンペーパーズ』や『シークレットマン』も今後鑑賞したいと思う。
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