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学校の怪談4のARのネタバレレビュー・内容・結末

学校の怪談4(1999年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

4の存在はとにかく異質だった。子供の頃、何故父がシリーズの中で一番好きなのか分からなかったが、今見返すとその理由がわかった。
今回の幽霊たちは前作までとアトラクション又は噂でよく登場するキャラとは違い、この世に未練を残した者たちだ。彼らの動機は明確で、惨たらしい悪意など存在せず、とても切ない。誰かを殺すわけでもなくただただ自分たちを見つけて欲しい純粋な気持ちの表れが見ていてとても悲しい。唯一の生き残りのコウちゃんも年老いて既になくなっているにも関わらずこの世に留まり続けている。今の自分がこの映画で感動してしまうのは、時を経て彼らの背景を読み取れる様になったことがとても大きい。
終盤、コウちゃんはヤエの助けを借りかつての仲間と共に成仏していく。連れ去られた子供達も無事全員帰還し、楽しい夏を迎える。一方、コウちゃんはあの世で仲間と奪われた小学時代を取り戻す。ヤエは兄を返してくれたお返しとして、コウちゃんにアイスの当たり棒を海を通してあの世に届ける。二人の友情は途切れることのないことを示しているようだった。
ラストシーンは美しい海をヤエが見渡して終わる。この映画の美しさを決定づける素晴らしいシーンだった。
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