将来がまだまだの若い人や、甘い楽しい映画が好きな人には厳しい映画。
Why me?
プレシャスはノートにそう書きます。
なぜ、私がこんな目にあわなければいけないの?
貧しい生活、母は生活保護をいいことにのらりくらりと暮らしている。
太っていて、無口で、父親、母親のいいようにされているプレシャス。
見えない未来。それでも時には10代らしく夢を見る。
行政ができることは限られていて、でも、少しずつ勉強していくけれど、希望の火はなかなか見えない。
しかし、プレシャスは何も言わず、自立を選ぶ。それが潔い。
映画館に行って、またはパソコンの前に座って、お金を払えば映画が観客を楽しませてくれる、と思っていた10代の私だったら、つらかったかもしれない。
でも、今、年をとってみるとこの映画の「渋さ」「苦さ」から目をそらさない勇気に気づくのです。