koya

プレシャスのkoyaのレビュー・感想・評価

プレシャス(2009年製作の映画)
4.0
将来がまだまだの若い人や、甘い楽しい映画が好きな人には厳しい映画。

Why me?
プレシャスはノートにそう書きます。
なぜ、私がこんな目にあわなければいけないの?

貧しい生活、母は生活保護をいいことにのらりくらりと暮らしている。
太っていて、無口で、父親、母親のいいようにされているプレシャス。
見えない未来。それでも時には10代らしく夢を見る。

行政ができることは限られていて、でも、少しずつ勉強していくけれど、希望の火はなかなか見えない。

しかし、プレシャスは何も言わず、自立を選ぶ。それが潔い。

映画館に行って、またはパソコンの前に座って、お金を払えば映画が観客を楽しませてくれる、と思っていた10代の私だったら、つらかったかもしれない。

でも、今、年をとってみるとこの映画の「渋さ」「苦さ」から目をそらさない勇気に気づくのです。
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