松原慶太

プレシャスの松原慶太のレビュー・感想・評価

プレシャス(2009年製作の映画)
3.1
NYCハーレムの最底辺貧困家庭で育った、16歳の女子高生プレシャスが主人公。父親にレイプされ2回妊娠。母親からも毎日罵倒され虐待を受けている。

ちなみに主人公プレシャスは巨デブで文盲。英語が読めないので授業についていくことができず、代替学級へと転校する。しかし、そこで出会った教師や仲間たちとともにすこしづつ人生が変化していく。

分かりやすい教師と学生の感動ものではないし、たいしたドラマがあるわけではない。プレシャスは文盲だけど数学的な才能はある。しかしそれがカタルシスある展開につながるわけでもない。

とくに上手い映画ではないし、映像のセンスとか脚本に唸らされることもなかった。

ただ、アメリカという国は、醜悪な部分はとことん醜悪。差別も貧困の格差もとことんある。しかし同時に、そこから抜け出す道も用意されている。悪意も無関心もたくさんあるかわりに、善意の人びともいる。それがよく分かる。ジワリと元気をもらう。

マライア・キャリーとか、レニー・クラヴィッツが、さらっと脇役で出ている。とくにソーシャルワーカーのマライアがよかった(地味過ぎてさいしょは気づかない)。こういうヒトいるよね、いて欲しいよね、と思った。
松原慶太

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