紫亭京太郎

プレシャスの紫亭京太郎のレビュー・感想・評価

プレシャス(2009年製作の映画)
4.2
愛されることで愛することを知り読み書きを教わることで自分を表現する術を知るとプレシャスの人格が確立していく。
愛情と教育がいかに一人の人間を前向きに大きく育てていくものであるかを改めて教えてくれる。親から自立しつつ周りからの支えもしっかり受け止めて子供を自らの手で育てていこうと歩き出すプレシャス。その勇気と希望に溢れた姿に心を打たれる。
プレシャスだけでなく彼女を虐待する母親メアリーの物語終盤に見せる凄まじい独白も心に刺さる。自分の夫がわが子を妊娠させるという残酷な現実に心を蝕まれたメアリー。そのセリフは当事者にはとても口にできないものであろう。役として演じるモニークの口を通すことにより我々はその事実に触れることができるヒューマンドラマの傑作!
紫亭京太郎

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