Yukenz

プレシャスのYukenzのレビュー・感想・評価

プレシャス(2009年製作の映画)
3.5
プレシャスの境遇がしんどすぎて見ているのが辛い。子は親を選べないだけに、なんともやるせない。

でも彼女だけでなく世界には似たような環境でもがいている子供たちは多いのかもしれない。

こんな世界を放置していいはずがない。学校に行けなくなった子供たちを受け入れるフリースクールにすぐ通えるような環境にあるとは、アメリカはやはり一歩進んだ国との印象を持った。

レイン先生役のポーラ・パットンが優しくも芯をしっかり持っていて頼りがいのあるナイスパーソンを演じている。まさにプレシャスが心を許すには絶好の大人像だった。

プレシャスはそこでやっと頼りにできる女性教師と出会い、生活が少しずつ変わっていくけど、人生はまだまだ長く、これから辿る道は決して平坦で真っ直ぐではないだろう。

見終えても決してスッキリする訳ではないが、プレシャス自身の行動にも変化が見られ、微かな光を感じたのは救い。

後で知ったが、ソーシャルワーカー役でマライア・キャリーが出ていたり、看護師役でがレニー・クラヴィッツが出ていたりと、彼らの本作に対する何らかのメッセージがあるように感じ、改めて作品を振り返って考えてみた。

我々大人たちは子供たちの無限の可能性を閉ざしてはいけない、すぐに何か出来る訳ではないかもしれないけど、その思いはしっかりと胸に持っていきたいと思う。
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