よくあるって云ったら失礼かもしれないが、有名作曲家のスランプと苦悩を描いた作品だった。
人は人生すべてが順風満帆とは限らない。スランプに陥ったときに、その人がどう打開していくかは、一つの創作のモチーフや伝記のスジになりうる。
かなり史実と異なるようだが、ラフマニノフをめぐる背景、
一家離散、ピアニストとしての名声、作曲家としての挫折、幼馴染である従妹との結婚、ロシア革命、アメリカへの亡命、ピアノ製作者スタンウェイ氏との交流、といったものがあることがわかった。
それをラフマニノフの作品とどう結びつけるはそれぞれの自由だが、なかなか興味深い。
ただ、名曲『ピアノ協奏曲第二番』の誕生のエピソード的な話が分かりにくく、ちょっと盛り上がりにかけたかな。
<追記>
本作はいわゆるミニシアターで初めて鑑賞した作品。
シネコンにはないラインナップに魅力を感じた。