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マルタの鷹のtackyのレビュー・感想・評価

マルタの鷹(1941年製作の映画)
4.0
フィルム・ノワールの元祖にして、ボギーのカッコ良さを堪能できる作品。
ハードボイルド小説の先駆者、ダシール・ハメットの「探偵サム・スペード」シリーズの第一作が原作で、これがデビュー作のジョン・ヒューストンが非常にテンポのある演出を観せる。

ヒッチの常連ピーター・ローレやメアリー・アスターなど個性的な俳優が出ているが、やはりボギーの独壇場である。

相手を圧倒する威圧感。
意外に凄まじい正義感。
大物相手にもビビらない存在感。
喧嘩に強く、女にモテモテ、刑事にタメ口などなど、いやーカッコいい!

金の為に危ない仕事もいとわないし、でもちゃんと悪にはケジメをつけさせる。
あの声、瞳、立ち姿、振る舞い、どれをとっても超一流である。

今見ても展開が非常に早く、しっかり観ていないと、置いていかれるほどのスピード感に溢れていて、すべての謎やカラクリが最後に向かって集約する。
クライマックスのホテルでの主要人物5人が揃う所でじっくりと観せる「マルタの鷹」の真実にはビックリ、そしてケジメのオチも素晴らしかった。

ボギーは翌年あの名作「カサブランカ」を撮るのだが、これらの作品が、日本が国威高揚映画ばかり撮っていた、戦争中に作られていたという事実に驚かされた。
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